(1)土居町上野地区

土居町上野地区(図2−4−1

本地域には,旧関川によって形成された扇状地性の低位段丘面および沖積面が広範囲に分布している。低位段丘面上,沖積面上および石鎚山脈と丘陵を形成する低位段丘面との直線的な地形境界に沿って,Aランクのリニアメント(北側低下)が判読される。リニアメント西方延長上の関川河床では,貫入岩および和泉層群の大規模な破砕帯が観察でき,石鎚山脈から北流する河川にほぼ直交することから,この低崖は断層活動によって形成されたものと判断される。

千足神社東方の本郷地点周辺では,全体に南側低下のリニアメントが判読される。リニアメントは,LV段丘面上に残存する中位段丘相当の地形面(人口改変を伴う)と沖積面との境界部を長さ50mにわたって連続する,見かけ上南側低下を示す最大比高3.0mの低崖からなる。中位段丘相当の礫層は淘汰がよく,下位では20cm程度の片岩礫を主体としており,上位にかけて礫径が小さくなり(5〜10cm),上位の礫はクサリ礫化および赤色粘土化している。