(2)本調査結果

空中写真判読調査によれば,西条市東部から新居浜市西部にかけて,岡村断層と石鎚断層との間に約1.5kmのステップが認められる(図4−3−31)。この間には,小松断層〜岡村断層間のステップに分布する正断層の分布を示すリニアメント等は認められない。

岡村断層の東方延長については,新居浜市北内町において,南側低下の逆向き低断層崖が約500mにわたり認められるが,その東方延長の段丘面にはリニアメントは認められない。更に東方延長の関川丘陵には土居町北野において一部Cランクのリニアメントが認められるが,新居浜市北内町〜土居町北野まで約6kmのギャップがある。

一方,石鎚断層については,国領川以東では明瞭な地形が認められるが,同以西ではC〜Dランクのリニアメントが西条市香屋まで追跡されるが,香屋以西ではリニアメントは判読されない。

以上,空中写真判読によれば,岡村断層の東端は新居浜市北内町付近,石鎚断層の活動的な区間は,国領川以東(最も長く評価しても,西条市香屋)となり,岡村断層と石鎚断層は約1.5kmのステップを境に,活動が受け継がれるように見える。また,新居浜市南部の岡村断層と石鎚断層に挟まれたブロックは,変位地形から沈降している可能性が高い。これは,この区間が岡村断層と石鎚断層との引張性バリアであることを示唆している(図4−3−32)。

図4−3−31 岡村断層と石鎚断層との連続性

図4−3−32 岡村断層と石鎚断層との関係に関する模式図