また，岡田（１９９２）は，次のように述べている。

『　石鎚断層は新居浜市と西条市の境界である市ノ川付近以西では非活動的となり，代わって北側約１．５ｋｍを並走する岡村断層が活動的となる。岡村断層は和泉層群の中を走る活断層であり，各所で何段もの段丘面を切断する。この石鎚断層崖西部を�Yｂとして断層崖東部（�Yａ）と区別する。石鎚断層と岡村断層の間のステップ幅は中央構造線活断層系の中でも最大に近い。』

Ｔｓｕｔｓｕｍｉ & Ｏｋａｄａ（１９９６）も岡村断層と石鎚断層との間にセグメント境界を設定している（図４−３−３）。

佃（１９９１，１９９６）も岡村断層と石鎚断層は異なるセグメントとして評価している（図４−３−１，図４−３−４）。

地質調査所（１９９３），国土地理院（１９９８）の活断層図においても，西条市飯岡から新居浜市萩生の間約６ｋｍ間において，岡村断層と石鎚断層は約１．５ｋｍのステップ活断層として並走するが，岡村断層は新居浜市喜光寺町以東の段丘面に変位を与えていない。また，石鎚断層も西条市大浜以西では活断層として表示されていない（図４−３−２９，図４−３−３０）。

さらに，中田・奥村・後藤・高田・岡田・堤（１９９８）も，岡村断層と石鎚断層との間にセグメントを設定している。

図４−３−２９　地質調査所（１９９３）による岡村断層と石鎚断層

図４−３−３０　国土地理院（１９９８）による岡村断層と石鎚断層