(2)本調査結果

空中写真判読調査によれば,岡村断層に沿っては西条市州ノ内以東にはA〜Bランクの変位地形の可能性の高いリニアメントが判読されるが,州ノ内以西氷見にかけてはDランクのリニアメント,さらに氷見以西では変位地形の可能性があるリニアメントは判読されない(図4−3−27)。

一方,州ノ内以西においては,岡村断層と小松断層との間にWNW−ESE方向のA〜Bランクのリニアメントが数条判読される。これらのリニアメントは右横ずれ地形は不明瞭で北東側低下を示すことから,鉛直変位が卓越すると推定される。このような北東傾斜の断層群は,右横ずれ変位が卓越する岡村断層と小松断層(川上断層(東部)を含む)との引張性のステップ(約2km)に形成された正断層群に対応する(図4−3−28)。すなわち,西条市氷見〜小松町にかけて,岡村断層と小松断層(川上断層(東部)を含む)との引張性バリアが推定される。

なお,小松断層の東方延長部で実施した反射法地震探査によれば,極めて緩やかな褶曲面は認められるが,断層は認められない。したがって,小松断層が反射法地震探査測線の北方を走る可能性は否定できないが,小松断層の宮の下以東へ延長する可能性は低いと判断される。

図4−3−27 小松町〜西条市氷見の活断層詳細図

図4−3−28 岡村断層と小松断層(川上断層東部)との間に形成された引張性バリア