ｔｉｔｌｅ

（２）試掘調査
試掘調査実施地点を図３－３－１に，試掘調査結果を図３－３－２に示す。

試掘地点は，リニアメント（Ｂランク）の東方延長部の平坦な水田内に位置する試掘規模は長さ８ｍ，幅１ｍ，高さ１．５ｍである。調査の結果，断層は確認できなかった。

（１）　地質構成

堆積物は，上位より以下の４層に区分される。

１層：黒褐色の砂質シルトからなる耕作土土で，０．２～０．６ｍの厚さで表層に分布する。また，最下部には約２０ｃｍの厚さでマサ土が敷かれている。

２層：灰褐色を呈する腐植質シルト層。径１ｃｍのくさり砂岩礫を混じえる。

３層：径１～１０ｃｍの砂岩の円～亜円礫を主体とする礫層。近代～現代の瀬戸物の破片を産出する。

４層：暗灰色を呈するシルト層。人工的に加工された木片を混じえる。

（２）　地質構造

最下位層である４層がほぼ水平に途絶える事なく分布し，１～３層もほぼ水平に堆積しており，断層は確認できなかった。道路および水路を挟んで試掘地点の南側では水田の標高が高くなっていることから，断層は道路もしくは水路付近を通るものと推定される（図３－３－１）。