8−1−1 西部地区

西部地区では、リニアメントは主に山地と段丘面との境界部に認められる。

鋸南(大帷子)地区では、リニアメントが横断する段丘面に変位は認められなかった。これらの段丘面の年代値は、約1900年前が得られた。また、保田地区では、地すべりが発達し、リニアメントは不明瞭である。また地すべり斜面にも、低崖等の変位地形は認められない。仮に活断層が存在するとしても、地形上にその痕跡が認められない(新規の活動も認められない)こと、リニアメントの連続性が乏しいことから、その活動性は低いものと推定される。

以上より西部地区では、少なくとも本地区の段丘面形成以降は、活断層による変位は生じていないと考えられる。また、宍倉(1999)も保田において、鴨川地溝帯北断層は6000年前以降活動していないとしている。以上の結果として、活断層が存在する可能性は低いと考えられる。