7−2−2 上畑・金束・大作地区(中部地区)

上畑・金束地区では、1)リニアメントは大部分が山間部を通過するがあまり明瞭でないこと、2)段丘面はほとんど発達せず、低地部を崩積土が埋積していること、3)低地部及び崩積土部には、連続する直線的な高度差は認められないことが、地形・地質調査で分かった。したがって、山間部を通過するリニアメントは地すべり頂部の遷緩線によって生じているものと考えられる。金束地区については、リニアメントは河食崖の連続によって形成されたと考えられ、変位地形ではないと考えられる。

大作地区では、岩質の境界がリニアメントと一致していることから、山地内に認められるリニアメントは、硬い砂岩層と軟らかい泥岩層の岩質の差によって生じた差別浸食を反映していると考えられる。また、断層も認められなかった。

以上の結果から、活断層が存在する証拠は得られなかった。そのため、活断層の存在する可能性は低いと推定される。