6−2−1 14C年代測定結果

表6−2−1 粟斗地区年代分析結果一覧

年代測定の結果、1950〜10400年前という結果が得られた。宍倉ほか(1999)によると、鴨川T面の年代は8760±60年前としている。また仲川(1977)では、7350±250年前としている。しかし、今回の調査で鴨川T面に相当する段丘面(A−1)の年代値は1950年前となった。これは、実際の段丘面の年代を示していない、新規の堆積物の影響であると考えられる。また、待崎川に最も近い低位の段丘面の年代(A−4)が逆に10400年前となった。これはA−4の段丘面を構成する堆積物が、非常に荒い礫主体の堆積物であるとともに、農地改良工事による影響や、再堆積の影響を受けた、堆積物の炭質物について年代を測定した可能性がある。したがって、実際の段丘面形成年代値とは異なる結果になったと考えられる。また、A−3については、農地改良工事が行われており、14C年代測定を実施したものの、計測不能であった。A−2については、今回の調査で7940年前という結果が得られている。また、仲川(1977)では、A−2を実施した段丘面に対比される小宮面の年代値を7080±150年前としている。この結果は、今回の結果に矛盾しない。従って、A−2については7940±40年前という年代であると推定される。