(2)重合前フィルタ

重合前には、できるだけ反射波を強振幅かつインパルスに近い波形に変換し、反射波の周波数帯域以外のノイズを弱めたり除去したりするため、デコンボリューション・フィルタや帯域通過フィルタが適用される。

(a)デコンボリューション・フィルタ

このフィルタは震源波形、地層特性など反射記録に、コンボリューションの関係で含まれている基本波形をインパルスあるいはそれに近い波形に変換するフィルタの一種である。デコンボリューション・フィルタの具体的な効果は以下のとおりである。

・様々な周波数成分をもつ間延びした反射波を,インパルスに近い(高周波かつ分解能の高い)波に変換する。

・主として浅部の影響による重複反射波を除去または弱め、独立した反射波に変換する。

(b) 帯域通過フィルタ

信号である反射波とノイズである他の波との周波数帯域が異なっている場合には、反射波の帯域のみを通す帯域通過フィルタをかけることにより、S/N比の向上が期待できる。そのためには周波数領域でフィルタを設計し、それをフーリエ変換して時間領域のフィルタ・オペレータを求め、反射記録にコンボリューションする。

具体的には何種類かの帯域のフィルタ・テストを実施して、最適なものを適用する。