(4)d 塩酸処理

粉末試料を1:1塩酸で約1時間煮沸した後,水ひ法により粘土分を採する。これをよく水洗いし,定方位試料を作製して測定に供した。

カオリン鉱物と緑泥石の区別が困難な場合がある。このような時に塩酸処理を行い,それぞれの存在の有無を検討する。一般にA1質のものは,Fe質のものに比較して,塩酸処理で結晶構造がこわれにくい。従ってカオリン鉱物や絹雲母などは普通の緑泥石などよりも,この処理で結晶構造がこわれにくい。スメクタイトでもFe,Mg質のものは,この処理で簡単に溶解するが結晶度のよいA1質のものは,この処理に対して強い抵抗を示す。