4−1 鴨川地溝帯南断層

活動性を評価できる可能性が最も高い平久里下地区および、平久里地区の西側延長部にあたり、リニアメントを覆う堆積物を調査できる岩井(高崎)地区の2箇所にて調査を実施することとした。そのうち、岩井地区では、リニアメント北側の平地部分において、基盤岩が破砕を受けた様子が認められた。

平久里下地区は、リニアメントを挟んで段丘面が分布する。そのうち、最上位のW面は、リニアメントを覆って、変位が認められない。それよりも古い段丘面については、主として、リニアメントを挟んで分布し、直接リニアメントが横断する部分は一部を除き、認められない。一部直接段丘面上をリニアメントが横断し、変位地形と考えられた部分には、小崖が形成されている。この小崖の成因が断層変位によるものであるか否かを直接トレンチで調査することとした。

岩井(高崎)地区は、平成10年度調査にて土地改良事業での新規掘削水路の壁面を観察した結果、低地部の基盤岩は破砕していること(断層活動の影響の可能性)、基盤岩の上面は、山際で深く(確認深度2m以深)、断層主部が存在する可能性があることにより、先ず、反射法地震探査を実施して、断層位置を概定してから、詳細な調査に移行する(ボーリング,トレンチ)こととした。

図4−1−1  調査位置図