(1)岩井地区

岩井地区では、リニアメントは山地部と平地部の境界付近にほぼ東西の延長を持つ。また、リニアメントに沿って尾根部の高度不連続、三角末端面等の地形が、顕著に認められる。しかし、リニアメントの延長線上に小谷が形成される、いくつかの地区において、低地部に変位を認めることはできなかった。しかし、岩井地区で行われていた農地整理において、断裂等が発達し、一部破砕を受けた基盤岩が浅部で確認され、その断裂系及び破砕の方向は、東西方向が卓越している状況が認められた。また、基盤深度は、リニアメント北側でリニアメントに沿って深くなっており、断層破砕に沿った差別浸食に起因する可能性がある(農業用水路壁の観察による1箇所での測定であり不確実)。

以上より南断層岩井地区では、断層による何らかの影響を受けている可能性があると考えられる。以下に示す地点で、来年度以降の調査が望まれる。

調査手法として、物理探査,高密度ボーリング(スウェーデンサウンディングを含む),トレンチ調査がある。

図3−1−2 岩井地区精査結果