(5)【南断層】橋本地区

・選定理由

河川沿いに断層破砕帯が認められ、これに調和的な変位を受けたと判断される段丘面が認められる。空中写真判読結果からは、河川沿いにはリニアメントは認められず、南側の山地部と丘陵部との境界に東西方向にリニアメントが認められる。

・地形

段丘面の比高差は約1mで、その縁辺は緩やかな曲線を描き、河川の蛇行跡とも判断される。だが、後述するように断層破砕帯の延長方向と一致することから、変位面と仮定した。

・地質

長さ20m以上にわたって断層破砕帯が続く。破砕帯は、1cm以下の岩石の細片と、これを覆うフィルム状の粘土からなり、被覆する段丘礫層を南落ち5cm変位させる断層露頭を確認した。

しかし、調査途中において、該当部分を含む水田で区画整理が行われ、この露頭は破壊されてしまい、現在では確認することができない。