(8)入内断層を含む起震断層の推定

活動間隔4,500〜5,000年として推定された単位変位量(鉛直方向)に断層傾斜45゚と仮定し単位変位量を算出する。この値から、松田式で起震断層の分布範囲及びマグニチュードを試算した。表2−3−10に試算ケース別に一覧表として示す。

この表で推定された結果は、平均変位速度(鉛直方向)のばらつきから始まる単位変位量(鉛直方向)の違い、撓曲構造であり断層傾斜(応力方向)が明確になっていない点など、様々な要因があり参考にすぎない。しかし、沖館で推定された単位変位量(鉛直方向)の最低値1.7mに、単位変位量が最低になるように断層傾斜 90゚(単位変位量(鉛直方向)=単位変位量)と仮定して松田式を用いた場合、起震断層の分布範囲が約20kmとなる。

以上のことから、入内断層を含む起震断層の分布範囲を推定することは難しいが、現在確認されている分布範囲の約15kmよりは広い範囲で活動することが推定される。