(4)ボーリング調査結果のまとめ

入内断層の北方延長部にあたる青森市沖館から新田にかけての国道280号沿いで実施したボーリング調査から、以下のことが明らかになった。

・更新世上部の腐植物層T、十和田大不動火砕流堆積物、腐植物層U及び十和田八戸火砕流堆積物の一連の地層が標高差を有す。また、これらの地層は既存ボーリングから南東側にほとんど標高差が無く分布することが確認される。(図2−3−24に既存ボーリング推定地質断面図を示す。)

このことから調査地点に断層(撓曲)による変形がある可能性は極めて高く、調査地点が昨年までの調査で明らかになっている入内断層の分布の延長にあたり、この変形は入内断層の活動によるものであると考えられる。

・完新世の断層活動は初成の傾斜、側方方向の堆積環境の違い、年代測定及び花粉分析の誤差等の様々な要因で明らかにすることは難しい。しかし、様々な仮定の基に推測すると約3,500年前以降とされている小海退以後に断層活動がある可能性は低いと考えられる。

・更新世上部の地層から活動履歴を推定すると、表2−3−7に示すとおり、2通りの可能性が考えられる。