(2)火山灰分析

火山噴出物は化学・物理的な岩石的特徴(鉱物組合せや火山ガラスの屈折率)及び噴火様式の特徴(ガラスの形態や堆積様式)などが噴出した火山(給源)及び個々の活動によって異なる。これらの特徴から、大規模な爆発によって広範に飛散した火山噴出物灰(テフラ)は過去の研究で噴出年代が推定されている(示標テフラ)。したがって、これらの示標テフラを検出することで、それを挟在する地層の年代を求められる。

火山灰分析の方法は、採取した火山灰を超音波洗浄器にかけ、鉱物を分離・洗浄した後に乾燥させ、顕微鏡下で重鉱物の組成、火山ガラスのタイプ、石英の有無、色、粒径などについて観察する。同様に重鉱物及び火山ガラスの屈折率を測定し、これらの分析データと示標テフラのデータ(カタログ)を照合して、示標テフラに合致するか否かの同定(鑑定)を行った。

なお、火山灰分析及び同定(鑑定)は群馬大学名誉教授の新井房夫氏(地質学;火山灰分析及び火山灰層序学研究)に依頼して行った。