1−2−3 ボーリング調査

ボーリング調査は、図1−2−6 に示すボーリング機械(ロータリー式オイルフィード型)を用いて実施した。以下に、ボーリング調査の作業状況・仕様について記述する。

(1) 手掘

調査地は市街地のため、地下ケーブル、上下水道管等が埋設されている可能性がある。安全のため、深度1.5mまので手掘を実施し埋設物の確認をした。

(2) 孔径及び試料採取

掘進は、孔径86mmのオールコアリングで実施した。調査地に分布する地層は軟弱層を主体とするためシングルコアチューブを用いた低回転(押し込み)によるコア採取を行い、孔壁保護を目的とした泥水掘りによる掘進方法で作業を行った。

(3) コア採取率

本調査のコア採取率は、砂礫層は50%以上、シルト層、ローム層については90%以上としており、今回のボーリングではこの基準を満たした。

(4) 孔口標高の測量

各ボーリング孔の孔口標高を測量で求め、その精度は三級水準測量とした。

(5) 採取コアの処理

採取したボーリングコアの処理方法を以下に記す。

@採取コアの半割り及び写真撮影

採取したコアは、あらかじめ1m毎に半割りにした塩化ビニール製のパイプ( JIS規格 VU65)で挟み、パイプの合わせ目に沿って縦方向に半割りにした。パイプの表面に、地点番号(孔番)、深度、上下方向を記載した。コアの切断にはワイヤーを使用し、砂礫などで切断できない礫は極力そのままにした。

半割りにしたコアの片方は分析用試料採取用とし、もう片方を観察・保存用とした。写真撮影時にはコアの切断面を金属ヘラできれいにし、5m毎に撮影を行った。写真撮影後、半割りにしたコアは塩化ビニール製のパイプごとサランラップで梱包し、切断面を上にして2段に重ねてコア箱に収納した。

A柱状図の作成

写真撮影後、コアの切断面を観察し、層相、粒度、色、固結度、堆積構造、テフラの特徴等を記載し縮尺20分の1の柱状図を作成した。柱状図には、後述するように採取した試料の番号と採取した範囲を示した。

B分析用試料採取

採取試料の分量は、対象層厚が10cm以下の場合は、分析用コアの半割分全部(コア外周の汚染部分は取り除いた)を、また10cm以上の場合は、上部・中部・下部のように代表的な部分を適宜採取した。

(6) 試料の分析

採取した試料は年代測定、火山灰分析、花粉分析などを行い、残りの試料は保存した。