(2)調査結果

T−4測線における浅層反射法弾性波探査の反射断面図を図2−4−2及び付図15に示す。また、ボーリングB4−1の柱状図を報告書資料編に添付する。ボーリングB4−1の柱状図を報告書資料編に添付する。

T−4測線の反射断面図から、ボーリングB4−1の直下、深度580m付近に非常に明瞭でよく連続する反射面が認められた。これは下石川地区のT−3測線の反射断面図で大釈迦層と考えている反射面に対比できる可能性がある。また、そのすぐ上位の若干反射面が弱くなっている部分は、地表調査の結果と合わせると、鶴ヶ坂凝灰岩部層であると考えられる。浪岡町西部の丘陵地から平野下にかけて反射面が東へ向かってたわみ、撓曲をなしているのが認められた。この撓曲は深いところほどたわみが大きくなっており、累積性が認められる。

また、この丘陵地の頂部の下には反射面の系統的なずれが認められ、このずれの位置を連ねた2本の線は断層であると考えられる。これらの断層は、東に向かって60°〜80°で傾斜しており、相対的に東上がりである。ただし、反射面のずれの累積性が明瞭でないため、活構造であるかどうかは不明である。この2条の断層については、そのずれの方向から考え、既存の資料では該当する断層がない。

ボーリングB4−1では72.5m以深で厚い砂礫となり、反射断面図でも反射面の一つとして追跡することができる。これはTm面段丘堆積物の基底礫層であると考えられる。

上記のことから、鶴ヶ坂凝灰岩部層の基底部と考えられる反射面を変位基準とすると、撓曲の両側で垂直方向に約450mの変位が認められる。また、ボーリングB4−1の結果と地表調査の結果を合わせると、Tm段丘堆積物を変位基準とすると、撓曲の両側で垂直方向約110mの変位が認められる。また、撓曲している部分の反射面に直交するような弱い反射面の不連続が認められ、浪岡撓曲を形成した断層である可能性もあるが、反射面のずれが読み取れないため、不明である。