2−4−1 文献資料調査による概要

浪岡撓曲は、活断層研究会(1980、1991)によれば、浪岡町大釈迦から浪岡市街地西部にかけてほぼN−S方向に連続する、丘陵背面や河成段丘面の平野側(東側)への傾斜として認識される。確実度T、長さ5.5kmで、変位量は丘陵背面を変位基準とすると約80m、河成段丘を変位基準とすると約20〜30m、ともに西側隆起であり、活動度はB級とされている。

また、吾妻(1995)によれば、本断層は、Wf面及びWf段丘堆積物が東へ10°〜20°傾き下がり、凸形斜面が撓曲崖であることを示しているとして、Wf面の形成年代(約2万年前)に基づき、平均変位速度0.3m/ka、活動度B級としている。

この断層は青森湾西断層の延長と考えられるが、津軽(地質)断層の南延長である可能性もあるとしている。