1−2−8 調査・解析の流れ

上述した調査の結果、津軽山地西縁断層帯及び野辺地断層帯に関する既存のデータを総合し、以下の検討を加えながら、断層の位置・センス・形状・活動度・平均変位速度・再来間隔・最新活動時期・単位変位量等について解析を行った。解析の流れは以下のとおりになる。

@ 本調査によるボーリングデータについては、20分の1柱状図を編集し年代測定値、テフラの同定等を盛り込んだ。

A 既存のボーリングデータを含めたボーリング柱状図をその位置と深度に合わせて並べ、対比することにより、ボーリングデータによる地質断面図を作成した。断面図の数は断層に直交する方向に4断面、平行する方向に2断面である。水平方向及び垂直方向の縮尺は1万分の1とした

B ボーリング柱状図をもとに、津軽山地西縁断層帯では沖積層の基底深度、鶴ヶ坂凝灰岩層の基底深度を、野辺地断層帯については甲地層の基底深度、高位段丘堆積物の基底深度を縮尺1万分の1の地形図上に表現した地盤図を作成した。

C トレンチ調査については、縮尺50分の1のトレンチ法面スケッチを基に地層区分を行い、単層の境界、試料採取位置等を明示した、トレンチ法面解釈図を作成した。

D A〜Cの図面作成に際しては、地層対比の根拠を示すとともに、テフラや考古遺物による年代と14C年代値との間に矛盾や問題点がないか検討した。

E どの年代の地層が断層によってどれだけ変位しているか、それぞれの断層ごとに検討し、断層の変位速度とその地質学的時間における変化を検討した。

F 断層の位置を図示し、断層変位基準、変位量や変位速度などを記入した縮尺2万5千分の1の活断層図を作成した。

G 1766年の津軽の地震による被害分布と、活断層の位置および地盤構造との関係を被害分布図を作成して検討した。