(2)段丘面の編年

段丘面は、高位面、Uf面、Vm面、Wf面に区分されている。今回の調査では、これらの段丘面と火山灰との関係に関するデータは得られておらず、各段丘面の形成年代は不明である。

段丘面対比に引用した津軽山地西縁断層帯の調査結果(青森県、1996)では、これらの段丘面のうちVm面は段丘堆積物の最上部に洞爺テフラ(Toya;100〜120ka(町田・新井、1992))を載せていることから、このVm面の形成年代を10〜12万年前としている。Uf面はToya及びそれより下位に厚い火山灰を伴い、Vm面に切られてことから、Vm面形成期前の低海水準期に形成されたと考え、約140〜160Maに形成されたと推定している。Wf面は主に現在の河川沿いに分布し、吾妻(1995)は、Wf面が洞爺テフラ(Toya)を載せず、段丘面の延長が沖積面下に没することから、洞爺テフラ(Toya)降下以降の低海水準期に形成されたと考え、約2万年前という年代を推定している。同調査結果(青森県、1996)では、これを Wfb面及びWfa面に区分して、それらの形成年代をそれぞれ約4〜5万年前及び約2万年前であるとしている。

津軽山地西縁断層帯地域の東に隣接する今回の調査地域でも段丘面と火山灰との関係に同様のデータが得られるかどうか、今後に残された調査課題である。