2−1−2 地震の記録

地震については記録に残された歴史地震はない。ただ、高橋(1995)は三内丸山遺跡において地震によるとみられる砂の液状化の痕跡(砂脈)を認め、震源は不明であるが,縄文期に大地震があったと記述している。高橋(1995)は液状化による砂脈が三内丸山遺跡北方の通称"縄文谷"に2カ所認められ、下流のA地点では4,150±100〜4,330±30年前の地層を貫き3,450±10年前の地層に覆われ、上流のB地点では 4,915±105〜4,715±175年前の遺物密集部を貫いていないことから、それ以前に大地震があった旨を記載している(文献参照)。

上記現象が地震に起因しているとすると、地震は4,330±30年前から3,450±10年前の間に少なくとも1回、あるいは、これと4,915±105年前以前の2回発生していることが想定される。ただし、この震源は特定されておらず、これをもって入内断層の最新活動時期や活動間隔に当てはめることはできない。