3−3−1 目的・手法・数量

地層の堆積年代および堆積環境などを明らかにするため、ボーリング試料を用いて以下の試料分析を行なった。

14C年代測定】

地層中に挟まれる有機物(腐植物や貝殻など)中の放射性炭素同位対比を測定することによって、地層の堆積した年代を明らかにすることができる。

測定は、a層、b層、b´層、H層を対象に26試料実施した。分析は全てAMS法(加速器質量分析法)でおこなった。AMS法は、14C原子を直接計数する高感度測定法で従来のβ線計数法の約1000倍の感度を持つといわれている。

【花粉分析】

地層中に含まれる花粉・胞子化石の種類・構成比などを調べ、地層形成当時の気候や周辺地域の環境を推定することができる。

分析は、更新世の陸成層と予想したH層を対象に3試料実施した。

【珪藻分析】

珪藻は水域に生息する単細胞藻類であり、珪酸体の殻を有している。そのため珪藻の殻が化石として残されることが多く、殻から珪藻の種類を特定することができる。珪藻は種類によって生息環境(淡水〜海水)が異なっていることから、地層中に含まれる珪藻化石の種類を調べることによって、地層の堆積環境を明らかにすることができる。

分析は、海水と淡水域間の微妙な水域に堆積した地層と予想したb層、b´層を対象に3試料実施した。

【帯磁率測定】

帯磁率(磁場の強さに対する磁化の強さの比)は、地層中に含まれる強磁性鉱物の量を示す。帯磁率は気候の乾湿程度と相関性が高く、磁化率が高くなるのは気候の湿潤化によると考えられており、氷期に堆積した地層中の帯磁率は低い傾向を示すといわれている。このことから、地層の帯磁率を測定することにより、当時の気候や堆積時期を考える上での参考になると考え帯磁率測定を実施する。

帯磁率測定は、ボーリングコア全試料を対象に、10cmピッチで磁化率計を用いて計測した。測定試料数は426試料。