3−2−3 ボーリング調査結果

ボーリング調査結果は、地質柱状図に整理し、コア写真とともに巻末に添付した。

ボーリング調査の結果を音波探査結果と対比すると、bP6−1、bP6−2とも音波探査による地層区分と、コアによる地層区分が良く一致することがわかった(図3−16)。

以下に音波探査によって区分した地層区分ごとに、地層の特徴を述べる。

【a層】a0〜a4層は細砂から中砂を主体とする。シルト混じりもしくはシルト質の部分を所々挟在する。全体に貝殻を含み、所々貝殻片が密集した部分を挟む

図3−17図3−18図3−19)。特に下盤側に位置するbP6−1孔では6層準認定される。

全体に生物擾乱による堆積構造の乱れが顕著である。一方、斜交層理状の反射構造が顕著なa5層は粗砂から構成される。

   

【b層】上部はシルト〜砂混じりシルト、下部は粗砂から構成される。上位のa層との地層境界は明瞭である(図3−20)。シルト層は全体に水平葉理が発達し、部分的に貝殻片が含まれる。bP6−1では、本層中に液状化によるとみられる噴砂跡が認められる(図3−21)。木片を少量含む。

【b´層】上部に薄いシルト層を挟み以外は、粗砂を主体とする。全体として粒度分布が不均質で、整然とした堆積構造は認めがたい(図3−22)。所々木片を含むが、貝殻片は認められない。bP6−1孔の地層は概ね水平であるが、bP6−2孔では、地層が若干(5〜10°)傾斜している(図3−23)。

【H層】シルト・砂の互層。葉理が比較的良く発達する。下盤側にあたるbP6−1孔では、葉理面はほぼ水平であるが(図3−26)、撓曲部にあたるbP6−2孔では、葉理面は10°程度傾斜している(図3−25)。比較的よく締まっており、木片や腐植物を挟んでいる(図3−24)。

図3−16 地質柱状図(bP6−1・bP6−2)の対比 

図3−17 a層中に挟まれる貝殻の密集層(bP6−2、深度2.4〜2.5m(a2層中))

貝殻は破片になったものと元の形状をとどめたものが混在している.

図3−18 a層中に含まれる巻貝の化石(bP6−1、深度6.7〜6.9m(a3層中))

シルト混じり細砂中に含まれる.元の形状を保っており、原位置で化石化したものと推定される.

図3−19 a層中含まれる二枚貝の化石(bP6−1、深度9.85〜9.95m(a4層基底)) 

砂層中に含まれる.元の形状を保っており、原位置で化石化したものと推定される.

図3−20 a層、b層境界(bP6−2、深度8.8〜8.95m)

写真左側がa層(a5層)の粗砂、右側がb層の砂混じりシルト(腐植を含む)。地層境界は明瞭。

図3−21 b層シルト優勢層中の砂脈(bP6−1、深度12.65〜12.85m)

所々薄い砂層を挟むシルト層中にみられる砂脈。地盤の液状化に伴なう噴砂跡の可能性がある.

図3−22 b´層の層相(bP6−1、深度14.7〜14.9m)

腐植土混じりシルト.腐植物や木片を含む有機質土を不規則に含む.

       

図3−23 bP6−2孔のb´層(粗砂)中にみられる地層の傾斜(深度13.1〜13.2m)

bP6−1孔のb´層(図3−22参照)では地層はほぼ水平であるが、ここでは、5〜10°の傾斜が認められる.

図3−24 bP6−2孔のH層(シルト層)中に含まれる木片(深度18.05〜18.25m)            

木片(材)や腐植物を随所に挟んでいる。全体に10°前後傾斜している.

図3−25 bP6−2孔のH層(シルト層)中の地層の傾斜(深度19.15〜19.30m)

地層はよく成層しており、葉理・層理が発達する。地層は10〜15°傾斜している.

図3−26 水平葉理が発達するbP6−1孔のH層(深度24.6〜24.8m)

砂混じりシルト.砂の薄層を地所々挟む.bP6−2と異なり、地層面はほぼ水平である.