3−1−1 概 要

平成15年度に実施した音波探査(ブーマー)の結果では、断層による地層変形が最も鮮明にとらえられたB−3測線(図3−1)においても海底面下2〜3mの反射面(図3−1解釈図でT面としたもの)の追跡は困難であった。T面が断層による変形をこうむっているか否かは、断層の活動履歴を解明する上で重要であり、そのため音波探査は、T面を含む極表層部の反射構造把握を目的として、以下の要領で実施した。

@ 平成15年度B−3測線周辺において縦横に測線を設けブーマーによる音波探査を行い、沖積層全体におよぶ断層(撓曲)構造を把握する。

A @と同じ測線においてブーマーでは読み取れない極表層の反射面追跡を目的とし、チャープソナーによる音波探査を実施する。

音波探査位置は、図3−2に示す。

図3−1.平成15年度調査によるB−3測線(KY−3断層付近)断面の解釈

(a)B−3測線地質解釈断面:a層は完新統と推定される. 

(b)主な反射面を表した断面:下位の反射面ほど上下変位量が大きく、変位の累積性が認められる.

図3−2.音波探査測線位置図((a)ブーマー,(b)チャープソナー)