2−2 平成15年度調査

平成15年度は、平成14年度調査で推定された海域の断層のうち、陸域の北由利断層(KY−1)と近接したKY−2、2´の推定海域を中心に音波探査を実施した。この調査により、当海域には新たに、沖積層と推定されるa層を変位・変形させているKY−3断層(図1−3参照)が見出されるとともに、KY−2断層も中・上部更新統に相当するH層を変形させていることから、活断層の可能性が高いことが判明した。

 また、音波探査の断面解釈に基づくKY−2断層、KY−3断層の断層評価については以下のように考えられる。

1)断層の長さ

 KY−2断層は約15km、KY−3断層は約10km程度と推定される。KY−3断層は、KY−2断層の北方延長の可能性が考えられることから、この間の緩やかな

撓曲部を含めると総延長は約30kmである。

2)活動時期など

 KY−3断層におけるa層(完新世と推定される)の変形は、同層上部にまで及んでいることからKY−3断層は数千年前以降に活動したことは確実であり、a層基底面の上下変位量が約6mであること(B−3測線上)から、完新世以降複数回活動した可能性が考えられる(図2−2)。

さらに、沖合いの「飛島−船川隆起帯」の東側に沿って、a層を大きく変形(撓曲)させるAK−1断層(平成14年度のA−1断層とは異なる)の存在も明らかになった。

図2−2.KY−3断層付近の音波探査(B−3測線)解釈断面

(a)B−3測線地質解釈断面.(b)主な反射面を表した断面