2−4−1 地層区分・対比

地層の境界における反射や散乱の強さは、音響インピーダンス(地層の密度ρと伝播速度vの積)の比で決まる。反射波が検出できるには、音響インピーダンスに10%程度の違いが必要といわれている。また、これまでの探査事例によると、泥・砂・礫の反射パターンには次のような特徴が認められる(「土と基礎の物理探査」(土質工学会編,1981)による)。 

泥層:弱い反射面が長く続くパターン

砂層:反射波の強さがよく変化し、長く続かないことが多い。偽層状の反射面が見られることもある。

礫層:不規則で強弱の変化の激しい反射パターンを示す。散乱波を伴うこともある。

地層区分を行なうさいには、このような反射パターンの特徴や、反射面の傾きに現れた地質構造などを読み取って地層区分をおこなった。

地層の対比については、海上保安庁の既存報告書(図2−4−1)、平成14年度の反射法地震探査の解釈断面(図2−4−2)および解釈断面に用いた地質層序対比(図2−4−3)を参考とした。

図2−4−1 既存S−2測線断面(上)とA−2測線断面(下)の比較

上図C面の年代は約4500年前

図2−4−2 反射法地震探査の地質解釈図(RSA894LM測線)

図2−4−3 層序区分図