2−1 探査方法

海域における比較的浅部の地質構造を明らかにする探査は、単成分の受振器(シングルチャンネル)を用いるソノプローブやスパーカー、ブーマーシステムなどの音波探査が一般的である。

対象とする探査深度や地質条件などにより、適した方法が異なるため、目的により、採用される探査手法が異なってくる。

今回の調査は、以下に示す調査場所、対象とする探査深度・目的を考慮して、ソノプローブとブーマーシステムを併用することとした。

(調査場所)水深10m〜100m程度の浅海域。

(探査深度)海底から100m程度までの浅層の地質構造(特に表層部)。

なお、ブーマーシステムの採用については、ほぼ同じ探査深度を対象とするスパーカーと現場で比較テストを行ない、得られた記録を比べ、表層部の解像度が高いブーマーシステムを(委員会で協議の上)採用した。

探査に用いた機器類の仕様を以下に示す。

@音波探査(磁歪震動方式):ソノプローブ

地層探査機:SP‐3型:エネルギー36ジュール

※ 探査深度:50m未満の極浅層

A音波探査(電磁誘導式):ブーマーシステム

送波器:双胴船型曳航体:エネルギー1,000ジュール

                周波数0.1〜8kHz

受波器:ハイドロホン :20素子・1ch

増幅・制御・記録器:octpus360型

チャート記録器  :GSP1086

※ 探査深度100〜200mまでの浅層

B共通

測位装置:D−GPS

精密音響測深機:RS−61:発振周波数200kHz

発電機 :3KVA

探査船 :5t未満  

探査は、以下の手順で実施した。

@ 探査計画の作成・承認

A 作業許可申請、基準点の確認など

B 艤装・走行テスト

C 探査(深浅測量および船位測量(DGPS)を含む)

D 探査記録の整理(位置図・断面図の出力、必要に応じて再解析)

E 記録(断面図)の解釈

  

なお、仕様ではブーマーシステムについてもデータ記録はアナログ方式と明記されているが、アナログ方式では、現地で得られる結果図だけであるため、記録の後処理ができない。今回の調査では、現場ではアナログ出力してデータの監視をしつつ、必要に応じて再出力が可能な1ショット毎のデータを磁気テープに記録する方法を採用した。