4−2 由利丘陵の地形的特徴

北東側を雄物川、南東側を子吉川支流芋川等に囲まれる由利丘陵は標高200〜300mの山岳地域からなり、海岸沿いの当調査範囲では200m以下の低い山地から構成される。

また、調査地中央部の岩城町内道川付近を境に、北側の海岸近傍は砂丘に覆われた緩かな丘陵地形を呈するのに対して、南側では山地が海岸に迫り、本荘市に近い三川では高さ数10mの絶壁を成している(図4−1−1図4−1−2図4−1−3図4−1−4図4−1−5)。

由利丘陵を西へ流れる主な河川は鮎川、君ケ野川、衣川で、何れも開析が進んでいる。また、これらの支流、横川など南北方向の谷も開析が進んでいる。

特異な地形としては鮎川支流の横川と衣川の南側支流があり、ともに合流直前に開析地形が途絶え、V字谷箇所を経由する。また、衣川の支流ではV字谷箇所上流部で開析平坦面を渓流が削り込んでいる。

このような地形の形成は図4−2−1図4−2−2に示す流路・流向変更や河川争奪の現象が生じたとみられ、その原因は海岸沿いの砂丘の形成や火山灰の降下、二次堆積などによる海岸側の旧河道の閉塞が考えられる。

なお、開析谷を塞ぐ現象としては三川近傍の谷にもある(図4−2−1図4−2−2)が、ここでは狭隘部下流側の開析幅が上流側と同程度であることから、地すべり・崩壊ブロックにより閉塞されたものと考えられる。