4−3−4 米代川流域の沖積段丘面

米代川の河口部には新期砂丘が発達するため、沖積面の高度変化が断層変位を示すものか、あるいは砂丘の勾配を示すものか判断しにくい。しかし、米代川南岸の沖積1面は縄文海進最大海進期の内湾の海成面とされており、平面性が高く、断層変位を保存していることが期待される。

内湾や砂丘の堆積勾配が現われにくい位置に地形断面線を設定し、標高点の分布をみると、能代市河戸川付近において、約1.5kmの幅を持った緩やかな撓曲構造が検出される。沈降側の地形面の高度は新期砂丘に覆われて不明であるが、少なくとも最大海進期以降2.4m以上の変位が読み取れる(図4−3−6)。

図4−3−6 米代川南岸の沖積1面の標高点の分布