(2)東雲地区

東雲地区に分布するM3面とM4面とは、ともに5/1,000以下の緩やかな勾配を持っている。M3面の離水層準直下の構成層は、磐断層付近において河成層から海成層へ移行するが、海成層が分布する高度は標高約35mであり、ほぼM3面形成時の海面高度を示している。能代断層隆起側に分布する中位段丘の鉛直方向の撓曲変位は、M2面で約40m、M3面で約30m、M4面では約20mである。磐断層による鉛直変位は、M2、M3面でともに約5mと読み取れるが、M4面の変位は読み取れず、M4面形成以降の活動はほとんどないとみられる。小手萩断層は背斜構造の東翼に想定され、その鉛直変位はM2面で約14m、M3面では約12mであり、累積変位を示す。付近に分布する褶曲構造による変位を加えると、これよりやや大きいと予想される。