4−1−1 判読方法

判読には八郎潟干拓整備前に米軍が撮影した縮尺1/40,000空中写真を使用した。

空中写真判読では、断層変位地形の抽出とともに以下の点に留意した。

@ 調査地に分布する最終間氷期および縄文海進以降形成された地形面は、高海水準期に形成されたものであり、前浜、砂丘、潟、内湾、蛇行河川、および扇状地など、様々な形成環境を示す。そのため、地形面の形成環境に留意して判読した。特に、海成面がつくる旧汀線は当時の海水準を示すものであり、能代断層隆起側の上昇速度を知る有効な指標となる。判読した旧汀線の高度は縮尺1/5,000国土基本図に図示された標高点の高度分布から読み取った(4−3節に詳述)。

A 能代断層は1694年能代地震の際に活動し、八郎潟北岸に隆起域を形成した可能性が高いとされている。そのため縄文海進以降に形成された地形面に変形を生じている可能性がある。また断層変位に伴う隆起によって、複数の段丘面が形成されている可能性もある。そのため沖積面の発達が良い八郎潟北岸地区や米代川流域では、沖積面の詳細な区分を行った。