3−7−1 能代断層が示す構造の特徴

空中写真判読・地表踏査および断層を横断する5測線の反射法地震探査(内4測線は再解析)の結果、能代断層は後期更新世以降の地形面や断層を切断することはなく、撓曲構造を形成する。

能代断層の東側には能代断層の活動に関連して形成されたとみられる高野野断層・磐断層・小手萩断層および逆川断層などの逆向き断層群が併走する。これらの断層群の平均変位速度(鉛直方向)は0.2m/1,000年を上限としており、変位速度は能代断層本体の1/5程度である。

反射法地震探査(再解析)では、能代断層の撓曲帯は、調査地域において北部の東雲台地付近で変位量、規模ともに最も大きく、南部へ向かって規模が縮小する。浅内沼測線から八郎潟北岸では、能代断層の撓曲帯の規模が縮小し、これに代わって海浜部に別の撓曲構造が現れている。海浜部の撓曲構造の連続性、活動性、および能代断層の活動との関連性は解明されていない。