3−5−6 酸素同位体ステージ1(縄文海進最高海面期、約7千年前)

約1万年前から縄文海進最高海面期の約7千年前までの海進期に堆積した沖積層は、米代川、浅内沼測線沈降側、および八郎潟北岸沈降側の沖積1面を構成して広く分布する。堆積物はシルトや細粒砂を主体とし、浅内沼から八郎潟にかけては生物撹乱が著しい。海成の貝化石や珪藻群集から、内湾や潟の環境で堆積した地域が多い。米代川や浅内沼測線沈降側のこの時期の堆積物には、十和田−八戸テフラを起源とする漂流軽石が含まれ、米代川から供給された堆積物は浅内沼測線付近に及んだとみられる。また八郎潟北岸の能代断層隆起側には波蝕台が形成された。