3−3 浅内沼測線地区の地質解析

平成12年度の反射法地震探査によって、浅内沼測線には能代断層の変位に伴う撓曲構造が確認された。隆起側に広く分布する中位段丘構成層には洞爺テフラ(Toya:降下年代110〜115ka,同位体ステージ5d)、阿蘇4テフラ(Aso−4:降下年代85〜89ka,同位体ステージ5a/b)等、最終間氷期に降下した広域テフラの存在が知られている。本調査では主に沈降側に分布する最終間氷期の堆積物を把握し、最近約10万年間の能代断層の平均変位速度を検討することを目的として、ボーリング調査を実施した。

沈降側では、昨年度の反射法地震探査の解釈断面図において、構造がほぼ水平とみなされる位置にB−6孔を配置するとともに、本年度再解析を実施した南北測線との交点にB−8孔を配置した(図3−1−1)。

隆起側では、逆向き断層群の影響を避け、浅内地域の古期砂丘の最高標高部にB−7孔、さらに古期砂丘の背後にB−9孔を配置した。