(2)放射性炭素(14C)年代測定

堆積物中の生物遺骸に含まれる放射性炭素14C濃度が、生物の死後、時間とともに減少していくことを利用した年代測定法であり、地質の年代を求め、深度を比較し、断層の変位量を求めるために実施した。

放射性炭素(14C)は一定の半減期を持ち、ある長さの時間とともに壊変して減少する。その減少量を測定し、生物の死骸を含む地層の堆積年代を求める。

この年代測定法には測定できる年代が現代から数万年までであることや、ある程度の誤差を含む、などの適用上の限界がある。今回の調査では、3万年より古いデータは信頼性が低いものとして扱った。また、深度順と年代値が逆転しているものについては、原因を検討し、問題がある試料は解析から除いた。

なお最近の年輪年代学の進歩により、沖積層の年代に相当する炭素同位体年代に対する高精度の年輪年代への補正が可能になっている。本調査では沖積層に相当する年代を、年輪年代による補正値「cal.yBP」で示し、洪積層に相当する年代は半減期の補正年代「yBP」で示した。年輪年代値への換算および校正曲線は、試料毎に巻末資料に示す。