(3)観測作業

浅層反射法探査の観測に先立って測量を実施した。測量では,測線を設定し,受振点間隔が5mとなるよう受振点位置の測量を行い,杭の敷設またはマーキングを行った。

反射法探査の観測では,以下に述べる受振器・ケーブルの設置作業,発震作業,データ収録作業を全測線にわたって繰り返し行った。図3−20に浅層反射法探査の観測作業の概要を示す。また別冊資料に,探査実施状況写真を示す。

なお,本測線は市街地の中の交通量の多い車道に沿って設けられたため,車両や一般のノイズが大きく日中にデータ取得を行うことは不可能であった。

したがって,それらのノイズの程度が小さい夜間(23時〜翌5時頃)に観測作業を行った。

A.受振器・ケーブルの設置

図3−20に示すように,測量で設定した各受振点に受振器(ジオフォンストリングス,12連)を設置する。

次に受振器とデータ収録器を専用ケーブル(CDPケーブル)で接続する。また,本部からの発震命令,震源からのトリガーやバイブレータのモニター波形を伝えるための専用ケーブルも震源と本部の間に設置する。

B.発震作業

ミニバイブのベースプレートが測量で設定した発震点位置となるようにミニバイブを移動し,ベースプレートに荷重をかける。

次に本部からの発震命令信号を受け,発震する。

C.データ収録

観測本部では,発震点位置に応じて受振する96点の受振器を選択し,設定を行う。

発震点の準備ができたら,受振点におけるノイズ状況をモニターする。そして,比較的ノイズの小さい時に発震命令信号を震源へ伝える。

発震開始と同時にデータ収録器が各受振器からのデータおよびバイブレータのモニター波形を収録する。同様に同一発震点において,4〜10回以上の記録を収録・保存した後,各受振器の波形記録とバイブレータのモニター波形との相互相関処理計算を行う。

観測者は,この相互相関処理結果をより,データの良否を判断する。結果が良好であれば,データを保存し,発震点へは次の点へ移動するよう指示をする。

図3−20 浅層反射法地震探査 観測概念図