(1)探査目的

既往文献(日本の活断層:活断層研究会1991)等では,横手市街地のほぼ中央に,南北方向の金沢断層の存在が指摘されており,空中写真判読等の地形判読によっても,比高約1mの段差地形が確認された。

段差の延長方向並びにその位置は,北部から南方に延びる金沢断層と調和的であり,想定された金沢断層の市街地での存否と,存在する場合の位置について把握することは重要と考えられた。

したがって,建造物の多い市街地において,断層崖であるか浸食による段丘崖で有るかの判断を行うために,基盤岩構造を含めた地下深部の状況を把握する目的で物理探査(浅層反射法地震探査)を実施した。また,探査実施地域は,金沢断層の南端域に相当し,断層の南限を絞り込む(延長の特定)デ−タが得られることを期待して実施した。