(7)測定結果

測定結果は以下の通りである。

受振点数 479(秋田側254CH,岩手側225CH)

バイブロ発震点数 41点(通常発震)及び33点(高密度発震)

ダイナマイト発震点数 5点

測線長 12.65q(秋田)+ 11.2q(岩手)

図2−2−3−1図2−2−3−2図2−2−3−3 に測線各地域でのバイブロサイスのショット記録を測線図とともに18秒まで表示している。図2−2−3−4図2−2−3−5図2−2−3−6図2−2−3−7図2−2−3−8 にダイナマイトのショット記録を測線図とともに同じく18秒まで表示している。この内,K−1〜K−3のショット記録は前出のバイブロサイスの発震点とほぼ同じ場所での発震となっており,記録の比較が可能である。これらの図の中には,真昼岳部分に対応するギャップ(データの欠落部分)を挟んで秋田測線の記録が左側に,岩手測線の記録が右側に示されている。なお,各トレースの上部に50毎の数字で示したものは受振点の杭番号である。また,初動の見掛け速度を定量的に評価し易くする為に,1〜4q/sの見掛け速度の傾斜を示してある。

秋田側測線の西半分程度は生活用の舗装道路沿いでノイズレベルは比較的高く,屈折初動は一部の受振点で車両ノイズに埋もれているが,幸いな事に多くのバイブロサイスのショットでは岩手側の受振点にまで明瞭に初動が到達している。一部のショットでは,少なくとも初動はオフセット20qを超える受振点まで到達している。

図2−2−3−1は秋田側測線東端付近の発震記録(VP 4)であるが,秋田側では3秒前後まで,遠方の岩手側の受振点では7秒前後の所まで比較的明瞭な反射波を検出できる。

図2−2−3−2は秋田側測線中央部の発震記録(VP 126)であるが,秋田側で4秒前後まで,岩手側では7秒前後の所まで比較的良好な反射波を検出できる。Loc.155付近には千屋断層が想定されており,その初動付近には断層に直接関係していると考えられる波動も見られる。

図2−2−3−3は秋田側測線西端付近の発震記録(VP 252)であるが,初動付近には2種類の強いイベントが見られる。これらのイベントは直達波と屈折波と考えることができ,それらの見掛け速度は千屋断層付近で明確に変化している様子が窺える。

図2−2−3−4はVP 4に比較可能なダイナマイトの発震記録(K−1)である。全般的にはダイナマイトの方がバイブロサイスと比べてエネルギー透過力が良い。秋田側では4秒前後まで比較的良好な反射波を追跡できるのに対し,岩手側の記録では,西側へ傾斜したイベントがかなり深部(10秒以上)まで検出可能である。

図2−2−3−5はVP 126に比較可能なダイナマイトの発震記録(K−2)である。秋田側では4秒前後までイベントを確認できるが,岩手側では10秒以深にも顕著な反射イベントが見られるが,東傾斜のものと西傾斜のものが共存している。

図2−2−3−6はVP 252に比較可能なダイナマイトの発震記録(K−3)である。バイブロサイスの記録と比較すると反射波の出現状況に関し歴然とした差が見られる。この中の岩手側の記録では,西傾斜のイベントは東傾斜のイベントに埋もれて殆ど検出できない。

図2−2−3−7はダイナマイトの発震記録(K−4)で,その発震点は秋田側の測線の西端から5q程度オフセットしている。全般的には,記録の特徴はK−3と類似しており,岩手側で東傾斜のイベントが卓越し,15秒付近までイベントを検出できる。

図2−2−3−8はダイナマイトの発震記録(K−5)で,その発震点は秋田側の測線の西端から10q程度オフセットしている。全般的には,記録の特徴はK−3やK−4と類似しており,岩手側で東傾斜のイベントが卓越し,15秒付近までイベントを検出できる。