4−2−2 活動性の評価

愛知県建築部による「平成8年度瀬戸市南東部地区整備事業地質調査その2」報告書では、この断層の地震危険度評価がされている。本調査ではこの評価を踏襲した。ここに、この報告書の評価についての全文を掲載する。

・猿投山北断層の愛知県建築部による地震危険度評価

この断層は、過去の活動において、約5,000年おきに活動してきた可能性が高い。

活動周期と最新活動時期からみて、現在は再活動のほぼ中間点〜やや過ぎた時期にあり、「今後いつ活動してもおかしくない」といういわゆる「満期断層」ではない、近い将来(今後数百年間)に活動する可能性は完全に否定できない。

しかし、過去2万年前から現在までの4回のイベントがほぼ一定周期で起こっており、R(活動周期)のばらつきが小さいことなどを考慮すれば、近い将来に活動する可能性は高くないと考えられる.

(愛知県建築部「平成8年度瀬戸市南東部地区整備事業地質調査その2」報告書断層調査編,pp60.より引用)

この評価を受けて、本書及び概要書の猿投山北断層の評価を次のようにした。

県建築部の調査では、最新活動時期は約1,900年前〜3,300年前、活動間隔は約5,000年とされている。このことから、今後数百年以内という近い将来に活動する可能性は完全には否定できないものの、高くないと考えられている。