(2)トレンチ調査の仕様

1) トレンチ掘削位置

極浅層反射法地震探査及びボーリング調査結果からは、猿投−境川断層通過位置として疑わしい箇所は2ヶ所に絞られたが、この内、東側のものは農道の直下に位置している。この農道は生活道路として使用され、かつ道路下には埋設管が敷設されていることから、ここでのトレンチ掘削は現実的には不可能であった。

このため、トレンチ調査は極浅層反射法地震探査で疑われた西側のラインを対象にし、耕地内で実施した。

2) 作業方法

トレンチ調査では、掘削の前に平面測量を行い、付近の詳細な地形を記録した後、仕様を決定して掘削を行った。

トレンチの方向は、できる限り推定される断層線と直交するように配置し、深度についてはボーリング調査結果から約6mとした。最終的なトレンチの位置は図3−47(1:2,500)、図3−48(1:500)及び付図6(1:200)に示すとおりであり、掘削の規模は両側のスロープを含めて幅約8〜10m×長さ約50m×最大深さ約6mである。

掘削には、0.7m3級及び0.4m3のバックホー各1機を使用した。掘削に当たっては、調査終了後には水田として復旧するため、本掘削の前に掘削範囲及び掘削土を仮置きする範囲について、表層の耕土を厚さ数10cm分をはねて、仮置きした。

本掘削は上記の規模で行ったが、法勾配は掘削深度が深いことから8分とした。バックホーによる掘削終了後は、人力による壁面の整形を行なって、詳細な観察や試料採取等の作業環境を整えた。

図3−47 藤岡町深見地区トレンチ調査・試掘調査位置図(S=1:2,500)

図3−48 藤岡町深見地区トレンチ調査位置詳細図(S=1:500)