(3)活断層の活動履歴、最新活動時期、次の活動までの期間

@大高−高浜断層は、平均変位速度から、活動間隔は1万〜1万7千年程度と推定される。 また、14C年代測定結果から、最近活動した年代は2千〜3千年程度前と推定される可能性が高いため、次の地震の発生は差し迫ったものとは考えられない。

ただし、これは、当該断層が全域で変位を起こす場合に発生する大規模地震についての想定であり、それ以外のやや小規模地震(M6.5程度)の発生については予測できない。 このため、活断層が存在する以上、無警戒というわけにはいかず、土地利用や地域計画において十分な配慮が必要である。

A加木屋−成岩断層については、ボーリング調査、文献・資料調査及び地形判読による平均変位速度から活動間隔を推定した。その結果、加木屋−成岩断層の活動間隔は、約2万年と推定される。ただし、断層には沖積低地面を切っている痕跡が認められなかったため、最新活動時期が把握できるトレンチ調査の適地が存在しなかった。

したがって、現時点ではこの断層の活動度が高くないため、地震発生の可能性は一般的には高くないと考えられる。ただし、この断層沿いには最近活動した証拠は得られておらず、トレンチ調査の適地もないために、現在の科学技術水準ではこれ以上、将来の地 震発生予測を厳密に行うことは不可能である。

B高根山撓曲及び半田池撓曲については、平均変位速度を求めた地層が50万年前以前に形成された地層と古いため、活動間隔の推定は実施していない。

C平井撓曲及び阿久比東部撓曲は、文献・資料調査、地形判読及び地表地質踏査を行なったが、この数十万年に活動している証拠が得られなかった。

表7−7−1 知多東部・衣浦東部地域の活断層調査結果の概要

確実度

  T:活断層であることが確実なもの

  U:活断層であることが推定されるもの

  V:活断層の可能性があるもの

活動度

  A:平均変位速度S=1 〜10 m/千年

  B:平均変位速度S=0.1 〜 1 m/千年

  C:平均変位速度S=0.01〜 0.1m/千年