(4)阿久比撓曲

@地形・地質調査

撓曲に沿ってリニアメントが認められるが、段丘面(数万年前に形成された平坦面)や沖積低地面(最近数千年間に形成された平坦面)を明瞭に切る活断層は認められない。

A浅層反射法

<D−測線>半田市

阿久比撓曲より更に南側に推定される断層を確認する目的で、神戸川右岸道路(新宮町〜有楽町)で実施した。深度約500mに師崎層群と考えられる地層が認められ、測線の中央よりやや東側を境に、反射面の傾斜が変化する。その上位の常滑層群は、地層が乱れ一部切れている。この地層の乱れが断層であるとすれば、断層の傾斜は約80゚となる。地質踏査では、露頭が少なく地質構造が判明しなかったが、阿久比撓曲がD測線付近まで続いていることを示している(図7−5−9参照)。

B極浅層反射法

<d−測線>知多市南巽が丘団地南端

測線中央付近で反射面の乱れが認められ、褶曲と傾斜約80゚の断層の存在が確認できた。これは、都市圏活断層図で活断層が推定されている位置である(図7−5−10参照)。

<e−測線>阿久比町草木(阿久比インター西側)

測線中央の西側で反射面の乱れが認められ、その傾斜は80゚〜90゚である。これは、都市圏活断層図で活断層が推定されている位置である(図7−5−11参照)。

C深掘ボーリング結果(深度70m)

D−測線で実施した深掘ボーリングでは、深度9m付近まで沖積層が認められ、それ以深には常滑層群が認められる。ボーリングでは2孔とも、火山灰が3〜4層確認できたが、それらは明瞭な特徴を有しないため、同定できなかった。