(3)調査結果

@A測線位置(東海市)

図4−1−7に、ボーリングコア写真を地質状況とともに示した。

3本のボーリングを実施した。確認できた地層はすべて常滑累層であった。

浅層反射法弾性波探査では、地層の急傾斜が推定されたが、ボーリングで確認できた。ボーリングで何枚もの火山灰が確認できた。ボーリングbPでは佐布里火山灰が確認できた。その他の火山灰の名称が不明であり、火山ガラスの屈折率等の測定で名称が判明すると地表で確認できている火山灰との対比ができ、より地下構造が明確になる。

ボーリングbRの東側では浅層反射法弾性波探査で加木屋断層と考えられる断層が検出されている。地層がほぼ水平であるため、ボーリングbR等で確認された傾斜から急変しており、断層が推定される。

AC断面位置(阿久比町)

図4−1−8に、ボーリングコア写真を地質状況とともに示した。

3本のボーリングを実施した。3本とも完新統の地層を10m程度確認したが、特に常滑累層で検出された断層を挟んで、完新統の厚さの変化は認められない

浅層反射では緩い背斜・向斜構造が検出された。特にボーリングbQと3の間の傾斜が激しい(撓曲構造)。浅層反射法断面で、bP200付近に断層が推定されるが、ボーリングbQ及びbRに佐布里火山灰が認められ、変位の大きな断層とは考えられない。

BD断面位置(半田市)

図4−1−9に、ボーリングコア写真を地質状況とともに示した。

空中写真で活断層が推定された地点である。

ボーリングでは、完新統や段丘層、常滑累層を確認できた。更新統の数mの食い違いの傾向が認められる。

CE断面位置(高浜市)

図4−1−10に、ボーリングコア写真を地質状況とともに示した。

ボーリングbPは、高浜撓曲崖の東側で掘削し、ボーリングbQは高浜撓曲崖の西側で掘削した。ボーリングbPは、深度2.8mまで盛土でそれ39.35mまで碧海層で、深度37.39〜39.35mは第二礫層に相当する。それ以深は、海成粘土を多く含む挙母層(海部累層)に相当する。

ボーリングbQは14.72mまで碧海層の砂層で、それ以深は常滑累層が分布する。深度45mには大谷火山灰層が分布する。

ボーリングbPとbQの碧海層の上面の分布深度は10mの差がある。ボーリングbQの方は浸食された可能性のあるが、約5万年で10mの落差が生じたと考えられる。