ｔｉｔｌｅ

（２）調査方法
東海市、大府市、東浦町は、既存資料（細山、１９９５）や吉田（１９８５）を参考に概査踏査（補足調査）を実施した。活断層が推定されている箇所及び阿久比町、半田市、高浜市、碧南市等については、１／５，０００地形図を使用して地形面や地質分布、地層の走向・傾斜を測定し、地層の分布や地質構造を明らかにした（詳細調査の実施）。特に活断層の両側１０００ｍの幅で重要露頭のスケッチ、写真撮影、試料の採取等を行った。

　調査地域の常滑層群には８枚の特徴的な火山灰が挟在されるため、火山灰を鍵層として地層の連続性を追跡し、これらの火山灰の分布より撓曲構造や断層にともなう変位量を明らかにした。

具体的調査の方法は次の通りである。

①火山灰の判定及び名称の推定。

火山灰の名称については、吉田ほか（１９８５）や細山（１９９５）の文献の火山灰の記載を参考に名称をつけた。最終的判定のため、主な露頭で牧野内委員に火山灰の鑑定をお願いした。また、主要な火山灰の試料については、火山ガラスの屈折率の測定や鉱物分析で火山灰の名称を確定した。

②地層の走向・傾斜の測定

撓曲構造を明らかにするため、出来るだけ多くの露頭を見いだし（実際は造成が進行し露頭の分布がかなり限られた）地層の走向・傾斜を測定した。測定結果は、ルートマップや、露頭観察カードに記載した。

③変位地形の確認

空中写真で見られた変位地形を現地で確認した。