(3)加木屋断層と阿久比撓曲の連続性

前述のように、空中写真判読、地表踏査及び極浅層反射法の結果から、加木屋断層と阿久比撓曲が連続している可能性が高いことが判明した。

そこで、この断層を新たに加木屋−成岩断層と仮称する。その延長は、約30qに達する。この全延長が一度に動く場合を想定すると、平均活動間隔は2万年、地震の規模はマグニチュードM7級となる(表5−6参照)。また、沖積層を切る低断層崖が認められなかったため、1回の地震による変位量は求められなかった。ただし、断層の一部が動いた場合には、地震規模は小さく、活動間隔も短くなる。

加木屋−成岩断層については、活動度は高くないため、地震発生の可能性は一般的には高くないと考えられる。ただし、この断層沿いには最近活動した証拠は得られておらず、トレンチ調査の適地もないために、現状の科学技術水準ではこれ以上、将来の地震発生予測を厳密に行うことは不可能である。

表5−6 加木屋−成岩断層の平均活動間隔及び地震規模

図5−1 加木屋層基底等高線図

図5−2 常滑層群の地質構造と活断層分布