(2)阿久比撓曲

空中写真の判読では、常滑層群の構造から考えられている加木屋断層と阿久比撓曲の間にも変位地形が観察され、阿久比撓曲の南部(阿久比町の椋岡から半田市の東郷町の間)中位段丘面にも変位地形が認められる(この間は段丘層に覆われ常滑層群は露出していない)。また、加木屋層の変位量から、平均変位速度は0.04m/千年と、加木屋断層と同じ値が得られた(表5−4表5−5参照)。さらに、浅層反射法D測線や極浅層反射法で断層が検出された。

 これらのことから、中位段丘面を変形させている加木屋断層と阿久比撓曲は同じ断層であり、半田市南部の成岩まで連続すると考えられる(図5−1図5−2参照)。

表5−5 各時代の変位量(阿久比撓曲)