1−2−1 対象とした活断層の概要

今回対象とした活断層は、次の7断層である。確実度・活動度・長さは、『新版日本の活断層』による。

                確実度 活動度  長さkm

  大高−大府断層   U      C     8

  加木屋断層      U      B     13

  高浜撓曲崖(断層)  U      B    3

  阿久比撓曲      U      ?     3.5

  平井撓曲        U      ?    10

  半田池撓曲       U      ?    8

  高根山撓曲       ?      ?

大高−大府断層は、鮮新世〜更新世中期の地層(常滑層群や加木屋層等)が長さ8kmにわたり急傾斜する撓曲構造を示し、地下深部に伏在断層が推定される。現在まで更新世の地層を直接切断する断層は確認されていない。

加木屋断層は、13kmにわたり常滑層群や加木屋層が急傾斜する撓曲構造を示すが、更新世後期の地層は変形させていないと考えられている。

高浜撓曲崖(断層)は、約4〜5万年前の段丘面(碧海面)を変形させていると考えられている。

阿久比撓曲は、延長約3.5kmの常滑層群の撓曲帯が見られ、西落ちの変位量は、20mである。更新世の活動や断層については知られていない。

平井撓曲は、延長約10kmの常滑累層の撓曲帯が見られ、西落ちの変位量は、150mである。更新世の活動や断層については知られていない。

半田池撓曲は、延長約8kmにわたり鮮新世の常滑層群や更新世中期の武豊層を変形させているが、武豊層を切る断層は確認されていない。

高根山撓曲は、猿投・境川断層の延長部に位置し、延長約2kmにわたり常滑累層が西側に急傾斜し、撓曲構造を示している。