3−2−8 処理結果

最終記録断面図の内、時間マイグレーション記録(図3−45−1図3−45−2)上での反射イベントの特徴をデータ取得及び処理の観点から列記する。

Line−1:

・全深度にわたり反射波は緩やかに西に傾斜し、その傾斜は深いものほど大きい。

・往復走時200msec位までの浅部の反射波は20〜60Hzの周波数成分を持ち、測線全域で比較的明瞭に認められ強振幅を有するものの、LINE−2の浅部反射波に比べて連続性が悪い。これは埋設管の存在により発生したチューブウェーブの影響によるものと考えられる。なお、重合数については、測線全域で30重合以上で、特に断層推定位置近傍では48重合以上である。

・基盤付近からの反射と思われる強振幅の反射波がCDP.200〜700(800〜600msec)、800〜1350(600〜450msec付近)の範囲で確認でき、全体的に西側に傾斜している。この反射波は12〜25Hzの低周波数成分が卓越している。

・CDP.700〜800の区間では基盤反射波が不明瞭となる。しかし、この地域では、重合数の減少、発震エネルギの低下等は見られず、測定上の要因は考えられない。さらに、基盤より上位の反射波は他の区間と比べて特に変化はなく、重合速度および区間速度にも顕著な変化はみとめられない。

Line−2:

・LINE−1と同様、全深度にわたり反射面は緩やかに西に傾斜している。

・浅部(往復走時200msec位まで)では連続性の良い反射波が測線全体にわたって確認できる。CDP.200〜340の区間で0〜30msecの反射波が欠落しているのは、オフセット発震により受振−発震点間距離の短いトレース(0〜100m)が欠落しているためである。

・CDP.330〜660(500〜600msec)の区間ではLine−1で見られたのと同様の基盤反射と思われる反射波が確認できるが、この西側では相当する反射波は不明瞭である。ただし、測線西端部では基盤反射と考えられる反射波が認められる。全般に西側で基盤付近の反射波が不明瞭な原因は、地質的要因以外にいくつか考えられるが、西側のノイズレベルが東に比べて高いこと、重合数に違いがあること(断層推定位置近傍CDP.450付近では約60重合に対し、CDP.200付近では約24重合)も多少影響しているものと考えられる。