(5)鮮新統

 岩沼地域から仙台地域、塩釜地域に至る丘陵部には、陸成から海成の2回の堆積サイクルを示す地層群(下位から亀岡層・滝の口層・向山層相当層・大年寺層相当層)が分布している。最下位の亀岡層は、基底礫岩を伴う砂岩・シルト岩・軽石凝灰岩からなり、亜炭を含む陸成層で、下位の中新統を不整合に覆っている。亀岡層を整合に覆う滝の口層は、主に凝灰質の砂岩・シルト岩からなり、海棲貝化石を産する海成層である。滝の口層を平行不整合に覆う向山層(岩沼地域では久保間層)は、亀岡層に類似した岩相からなり、基底礫岩を伴う砂岩・シルト岩・亜炭を挟むシルト岩からなり、軽石凝灰岩層を挟む陸成層である。向山層を整合に覆う大年寺層(岩沼地域では山下層、塩釜地域では笹神層・放森層)は砂岩・シルト岩からなり、海棲貝化石を産する海成層である。

 一方、内陸側の高舘地域と秋保・愛子地域に分布するの鮮新統は、他の地域の岩相とは全く異なり火山岩類・火砕岩類からなる。